その先に見えるもの

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 煙草を吸って多少なりとも落ち着いた私は、薬局に行く為に家を出た。  外は風が強く、吹き荒れる風は少しばかり落ち着いたはずの私の心を再び掻き乱す。  秀人は今どんな状態で、何を思っているんだろう?  何で一人で行ったんだよ。何で秀人が行くんだよ?  私がもっと早く……、そう、土曜に電話が繋がった時点で会う約束をしておけば良かった。  それで私が先に行く事が出来ていれば、秀人がこんな目に合う事もなかったのに。  私一人がやられただけで解決するような、単純な問題じゃない事は今回の件でよく分かった。でも私が先にやられていれば、秀人は無抵抗でやられるなんて真似、しなかったはず。  私は、もっと早く決意しなかった事を後悔した。  だからって今さら悔やんでも仕方ない。これからやるべき事を考えなければ。  私は薬局で買い物を済ませると家路を急いだ。そして、いつ来ても良いように秀人の部屋の前で待っている事にする。  壁にもたれかかって待っていると、程なくして二人がゆっくりと歩いて来るのが見えた。
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