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「この前の金曜に俺らと一緒に居た赤い髪した奴。ちょっと訳あって無抵抗でやられちまってさ」
私に気を遣っているのか、詳しい事を話そうとしない大樹。
「んじゃ、さっきこいつらが言ってた赤い髪って……。だからこの子、あんなにブチ切れてたのか」
鏡司は地面に這いつくばっている奴らを見た後、私に視線を移した。そして物珍しそうな視線を送りながら言葉を続ける。
「しっかしマジでこの子凄えな。俺らほとんど出番なかったし」
好奇心の塊のような瞳で見てくる視線が痛い。
でも今日ばかりは、やり過ぎただなんて思ってない。秀人をあんなにした連中だ。マジでまだまだやり足んねえ。
「だろ。しかもまたマウント取っちまって。それは俺にやれっつってんだろ。んな短いスカート履いてよお。ったく」
大樹はからかい口調で言いながら、この場から去ろうというジェスチャーを取った。
「ハハ。お前がやって欲しいのは何も履いてねえ時だろ。そん時は俺もよろしく」
さすが大樹のツレ。とんでもねえ事をサラッと言ってくれる。しかも爽やかな笑顔で。
「バカか。お前ら」
私は赤面しているのを悟られないよう、既に歩き出している大樹を追い越して先を行く。
ったく、こんな時にまで。やっぱこの手の話は苦手だ。秀人と言い、こいつらと言い、何で男はすぐそっちに持ってくんだよ。
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