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「待てよ、美咲」
大樹が慌てて追いかけて来た。
鏡司も近くに停めてあった単車に跨がり、私たちの歩くペースに合わせて徐行している。
結局、鏡司からの話の続きは、行き先が秀人の家だと分かった事により、「そこで話すよ」と言われて後で聞く事になった。
「茜たち、大丈夫だったかな?」
なんだかんだで茜たちを最後まで見ている事が出来なかったのが気掛かりだ。
「あいつらは俺らんとこに来たんだから大丈夫だろ」
大樹の言葉に思わず頷く私。
「そうだな。今日のとこは大丈夫だよな」
私は、ひとまず今日のところは安心だと胸を撫で下ろした。
「今日のとこっつーか、やっぱ今回の件が解決するまでは、今日みてえな事もしねえ方が良いよ。分かんだろ?」
大樹は諭すように聞いてくる。
言いたい事は分かる。いくら離れてても近くに居る訳だから、今日みたいな事をしてた方が危険かもしれない。でも、二人を放っておくなんて出来ない。
「確かに一緒に居んのは危険だろうけど、離れてりゃ良いだろ。全く見てねえのは心配だよ」
私の返答に、大樹はため息をついて口を開く。
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