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「ああ。実はこいつが中西の事、振ったらさ、逆恨みで嫌がらせされて。それから色々あって、こいつ中西の事、半殺しにしちまったんだよ。そんでまぁ、今に至る訳だ。まっ、他にも色々あんだけどな」
大樹は笑いながら報告する。
何か面白おかしく言われてっけど、実際にやっちまった事だから何も言えねえ。
私は苦笑いしてごまかした。
その間に茜たちは声が届かないであろう距離まで離れていた。
「ハハ。その中西ってのが弱えのか、この子が強えのか、どっちだろうな。まっ、考えてみりゃうちの奴らもやられてんだし、この子が強えんだろうな」
鏡司は苦笑しながら私を見ている。そして再び真剣な表情に戻って続けた。
「とりあえず、うちの奴らと俺の知り合いには、中西ってのが何か言ってきても動くなっつってあっから。マジでこないだは悪かったな。そうだ。今日、奢るから飲みに行かねえ? 帰り送ってくし。そっちの子も行く?」
鏡司の提案に大樹は「おう。わりぃな。割り勘で良いよ」と答えたが、私はバイトがあるから、と断った。
その頃には茜たちがかなり遠くに行ってしまい、少し焦りを感じ始めていると、鏡司が気になる事を口にした。
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