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「良いよ、出すからさ。んじゃ、そっちの子はまた今度な。ところで話は変わるけど、あそこでたむろってる奴ら、俺らに用でもあんのかねえ。チラチラこっちの様子窺ってっけど」
言われて見てみると、私たちの進行方向から見て右に延びる脇道に五人組の男が居るのが見えた。
「そうかもな」
大樹も同じ方向を見て答える。
仮にあれがうちらの客だとしたら、茜たちが通り過ぎた後で良かったな。
「バカ西絡みの奴らかもな。まっ、向こうに歩いて行きゃ分かんだろ」
私は安堵のため息と共に呟く。
「面白そう。俺も仲間に入れてもらって良い?」
鏡司が無邪気に微笑みながら質問してきた。
「好きにすれば」
大樹も笑って答える。
いや、好きにすればって……。意味分かってます? 仮にあいつらの狙いが本当にうちらなら、また一人巻き込む事になるんですけど。
「サンキュー。最高の暇つぶしだな」
私の心配を余所に、本人はやる気満々である。
はあ。気が重い。これ以上、巻き込みたくねえのに。
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