その先に見えるもの4

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 確かに二人ともやられる事を考えたら、大樹の選択の方が正しいのかもしれない。でも私は、二人とも助かる可能性がある方に賭けたい。  無謀かもしれないけど、初めからどっちか一人が犠牲になる方法を選ぶなんて、絶対にしたら駄目だ。 「お前ら、ぐだぐだ言ってねえでとっとと行くぞ」  大樹が答える前に、後ろから痺れを切らしたような怒鳴り声が聞こえてくる。 「大樹、行くぞ。言っとくけど、やられに行くつもりはねえから。お前が本気でやんなきゃ、勝てるもんも勝てなくなんだからな。頼むよ、マジで」  私は二人してやられる気はない事を強調して言った。  そうだよ。秀人が何のために犠牲になったのか。もうこれ以上誰かが犠牲になるなんて駄目だ。それが大樹だろうと私だろうと。  秀人、ごめん。私の選択は間違ってるかもしんねえけど、諦めるつもりはねえから。ただでやられる気もねえし、黙って大樹をやらせるような真似もしねえから。  行ってくんよ。 「美咲、お前さ。意味分かって言ってんのか? 何人相手にする気だよ。それに俺も、やられる気で行く訳じゃねえから。安心して先に帰れ」  大樹は私を安心させるように微笑みかけている。
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