その先に見えるもの4

3/30
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「もうすぐ晃んち着くけどさ。いつ会えるかも分かんねえし、その前にコンビニ寄って飲みもんとか買ってかね?」  確かに食いもんは別としても、飲みもんくらい欲しいな。 「そうだな。了解」  私は頷きながら答えた。  その後、数分単車を走らせてコンビニに到着する。 「とりあえず一服してくか」  店内に入る前に大樹はポケットから煙草を取り出した。 「ああ。私もそう思ってたとこだよ」  私も上着のポケットから煙草を取り出して火をつける。 「つか、マジで早く会えると良いんだけどな。ツレが居たら日を改めるしかねえけど」  大樹は風が吹いている方向に煙りを吐き出した。 「ああ。後は、会えたところであいつが話を聞いてくれるかどうかだな」  私は最も懸念している事を口にする。  実際、一人んとこを上手く捕まえられたとして、あいつが話を聞いてくれる保証はない。  特に私からの話など、聞こうとしないだろう。 「まっ、どうなるかは分かんねえけどさ。とりあえず初めは、あいつが話聞きやすいようにもってくよ」  大樹は苦笑しながら答えた。 「ああ、頼むよ。いきなり私が話しても聞く耳持たねえだろうし」  私もつられて苦笑いで返す。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!