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「ああ。任せとけ」
大樹は優しく微笑んだ。
その笑顔は秀人と同じ優しい笑顔で、どこか安心出来る力強さがあった。
そして私が次の言葉を発しようとした時、後ろから声をかけられた。
「何でお前らが二人でこんなとこに居んだよ。神城も居る訳?」
この声……。
振り返って見てみると、そこに居るのは店内からレジ袋を持って出てきたバカ西だった。
まさか、こんなに早く会えるとは――。ただ、こいつが一人かどうかが分からないから素直に喜べない。
仮に一人だとしたら、こいつの性格から考えて、こんな呑気に話しかけてくるだろうか?
念のためバカ西の後ろから誰か来ないかと店内を見渡してみたが、それらしい人影は見当たらなかった。
「秀人は居ねえよ。少し話したくて来たんだけど、お前一人?」
大樹もチラッと店内を見て質問する。
「俺は話す事なんかねえよ」
バカ西は面倒臭そうに答えた。
「あれ、何でこいつらがここに居んの? 呼んでたのか?」
大樹が答えるより前に、再び後ろから声がする。
距離的にかなり近い事からすると、バカ西に話しかけている気がする。ツレだろうか。
マズイ……、よな?
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