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声のした方を見ると、記憶に新しい五人組が居た。
それは、つい一週間前に私たちの前に現れた奴ら。要するに無抵抗の秀人の事をボコボコにした奴らだ。
見た目、こいつらの傷もすっかり治っている。まあ一週間経ってんだから、治ってて当然か。
「いや、呼んでねえよ。ただの偶然。つか、他は?」
バカ西は五人組に返事をするとともに、よく分からない質問をする。
「もう来るよ」
ロン毛の男が真顔で答えた。
もう来るって、まさか更に誰か来んのか? マジでマズくね?
そんな事を思っていると、振り返っている私から見て更に右の方向から単車の音が聞こえてくる。
音は徐々に近づいてきて、最終的に四台の単車がこのコンビニの駐車場に停車した。二人後ろに乗ってるから人数的には六人居る。
いや、ちょっと待て。この六人が、目の前に居る五人組のツレだったら寒すぎる。
違っててくれ。という私の願いは叶わぬまま、単車から降りた六人の男はこっちに向かって歩いて来た。
「おう。遅くなってわりぃな」
そのうちの一人、両耳にアホみたいな数のピアスをした男が口を開く。
やはりこいつらは五人組の知り合いらしい。これは最早、神懸かり的に最悪のタイミングだな。
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