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「ああ。つか、ちょうどこの前話してた奴らが居んだけど」
ロン毛が今来た六人の方を向いて答える。
「マジか。そりゃ捜す手間も省けてちょうど良いじゃん。そこに居る二人?」
ピアスの男はニヤニヤした表情で私たちを見た。
こりゃ、相手さんやる気満々だわ。帰してくれそうもねえな。
私は何となく大樹に視線を移した。大樹はため息混じりに口を開く。
「はあ。晃、お前さ。俺らをどうしたい訳? こんな事して楽しいのか?」
大樹は呆れた表情でバカ西に問い掛けた。
「俺を怒らせた奴らには容赦しねえよ。とことん追い込むし」
バカ西は涼しい顔で答える。
つかこいつ、マジでバカ?
「本当ガキだな、お前は。……とりあえず美咲……」
「――とりあえず、こんなとこで話してんのも何だし、場所変えようや」
バカ西に返事をした大樹が私に何か言いかけた時、後ろから遮られた。
大樹は私に何を言おうとしてたんだろう? とりあえず、ここはおとなしくついて行くべきなんだろうか?
再度団体さんの方を見ると、十一人も居る訳だから、当然逃げ道はない。
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