その先に見えるもの4

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 秀人とは、バカ西が一人じゃなけりゃ帰るって約束した。  でも今のこの状況じゃ、帰りようがない。全く想定外の状況。  行く、しかねえよな。秀人との約束は破る事になるけど。  この人数相手じゃ、ノーダメージどころか無事でいられる可能性は低いだろう。  バカ西は戦力外として、五人組の実力も分かるけど、残り六人は未知数だしな。  それでも行くしかない。どこまでいけるか分かんねえけど、ただでやられるつもりはねえかんな。  私は、水の入った灰皿に煙草を投げ捨てて、大樹に行こうというジェスチャーを取った。  しかし大樹は首を横に振って再度バカ西を見る。 「晃、行くのは良いけどよ。美咲はもう良いだろ?」  大樹はバカ西を真っすぐ見据えて問いかけた。 「なんだ、それ。美咲は良いって意味分かんねえよ。どうでもいいから、とりあえず来いよ。すぐそこに空き地あっから」  バカ西は鼻で笑って答えると、私たちの後ろに居る奴らに顎で指示を出す。  それを見た大樹は再度ため息をついて煙草を灰皿に投げ捨て、私に視線を戻した。 「美咲、お前はついて来んな。わりぃけど電車で帰ってくれ」  何を言い出すんだ、こいつは。大樹一人行かせて、帰れる訳ねえだろ。それに、どっちにしろバカ西や後ろに居る奴らが私だけ見逃す訳がない。
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