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「てめえ今、何つった?」
秀人は言いながらバカ西の元へ歩いていく。
大樹と鏡司も同じように歩いていった。
バカ西の目の前に到着した秀人は、一瞬倒れた奴らに視線を移して続ける。
「こいつらはてめえの為に動いてくれたんじゃねえか。なのに、いざやられたら第一声がそれか。マジで腐ってんな、てめえは」
言い終わるや否や、秀人はバカ西に殴り掛かった。
口調や態度から、相当キレてる事が分かる。
それは他の二人も同じだった。
「てめえが中西か。うちのもん勝手に使ってくれたらしいな。しかもこいつらもそうだけど、てめえの都合が良いように動く道具のつもりか? ざけんじゃねえぞ」
鏡司も、そう言ってバカ西の顔に二、三発、拳を入れた。
そりゃキレて当然だよな。結局バカ西は、雇った奴らがいくら自分の為に動いてくれても、感謝するどころか人としてさえ見てねえんだから。
鏡司は特に、そんな風に捨て駒みてえに自分の仲間を使われたんだから、胸中穏やかでいられる訳がないだろう。
そんな事を考えながら視線を戻すと、鏡司に続いて大樹がバカ西の胸倉を掴んでいる。
「おめえ、とりあえずこいつらに謝れや」
大樹はバカ西を放り投げるようにして十一人が倒れている方に押し出した。
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