その先に見えるもの6

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「まっ、俺もいつでも相手んなってやっから、好きな時に来いよ。今これ以上、手え出したら、おめえとやってる事が一緒んなっちまうしな。それに俺ら別に、おめえを袋にしに来た訳でもねえし」  秀人は私と大樹に視線を移す。  確かに元を辿れば、うちらは和解しに来たのであって喧嘩しに来た訳じゃねえんだよな。それが最悪のタイミングでこいつらに出くわして、気付けばこんな展開になってた。なんか余計に話がこじれてる気がすんだけど。これじゃ和解なんて無理じゃねえか?  そんな事を考えていると大樹がため息混じりに口を開いた。 「晃、おめえは一体、何がどうなりゃ納得すんだよ? 俺ら一応、おめえと話して、おめえにその気がありゃ和解しようと思って来たんだけどよ。でもまあ、無理みてえだな。また別の奴ら雇って来んなら来りゃ良いけど、俺らやられる気ねえから。来る奴全員、そこに倒れてる奴らと同じ目に合わせるし。もちろん、そん時はおめえにも容赦しねえ」  大樹は真剣な表情でバカ西を見つめる。  何がどうなれば……、か。  今は話が大きくなってるけど、そもそもバカ西は私にキレてたんだよな。その私に、未だ何の仕返しも出来てねえんだから、納得出来る訳もねえか。  私にとっては、秀人がやられた事は精神的にダメージがデカかったけど。
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