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確かにあの実力差、もし秀人が本気でやってたら、あいつらあんなもんじゃ済まなかっただろう。
初めはマジで病院送りにする勢いだったけど、あまりに力の差があるのを感じて手加減せざるを得なかったんじゃないだろうか。
キレてても冷静な秀人。逆にそんだけ冷静なのに、短髪の男を宣言通り割増でやったのは私の為なのかと思うと、こう言っちゃなんだけど嬉しかった。
「要するに、美咲と一緒で秀人も怒らせねえ方が良いって事だな」
鏡司はからかうような表情で私と秀人を交互に見る。
「前半、要らねえんじゃね?」
私は何気なく突っ込んだけど、大樹は思い切りスルーして鏡司に便乗した。
「似た者夫婦って事だな。つか、こいつらの夫婦喧嘩は血を見る事になんだろうな。秀人、気をつけろよ」
大樹もニヤつきながら秀人を見ている。
「何言ってんだ。平和主義の二人に向かって。なあ、美咲?」
秀人は苦笑しながら私に振ってきた。
「本当だよ。好戦的なのはお前ら二人の方だっつーの」
私は大袈裟に二度頷いて同意する。
「はいはい。お前ら自分ってもんを分かってねえな。まっ、んな事は良いとして。美咲、結局誰が一番かっこよかったんだよ?」
鏡司は一瞬、呆れたような表情になったが、すぐにまた悪戯な笑みを浮かべて聞いてきた。
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