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「ああ、ちょうど良かった。こいつら手当てしてやってくれ。俺は先に行ってっから」
バカ西は女性を見て安心したような表情で頼んだ。
「かしこまりました。あの……、晃坊ちゃまは大丈夫なんでしょうか?」
女性は心配そうな表情でバカ西の顔を覗き込んだ。
ぱっと見、バカ西も口元が内出血によって紫色になっているから心配してるんだろう。
「ああ、俺は大丈夫。じゃ、こいつら頼むわ」
バカ西は軽く頷きながら答える。
「かしこまりました。お連れの方、どうぞこちらへ」
女性は柔らかく微笑むと、玄関ホールより右に伸びる通路へ歩いて行った。
怪我をしている十一人は女性について行く。
私たちはバカ西に続いて左の通路に進んで行った。
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