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バカ西に誘導されて、暫し歩き続ける。
広い廊下には壺が置いてある事はなかったが、名の知れた絵画が壁にいくつか飾ってあった。
移動中はたいした会話もなく、時おり鏡司が「こんだけの大人数でどこで飲むんだ?」などと当たり障りのない質問をして、それにバカ西が答える程度だった。
バカ西は廊下の突き当たりより少し手前で立ち止まり、右手にあるエレベーターの上りボタンを押す。
三階に着くと右に降りて、突き当たりの扉の前で足を止めた。
さっきの鏡司とバカ西の会話によれば、どうやらラウンジのような場所で飲むらしい。つまり、この扉の先がラウンジになってんだろう。
そんな事を考えている間に扉は開かれた。
家のデカさから想像はしていたが、中はやはり広い。優に五十人は入れるんじゃないだろうか。
向かって右手にカウンターがあり、様々な種類の酒が並んでいる。バーテンダーでも居そうな感じだ。
左手には大きめの水槽があり、熱帯魚が泳いでいる。
そして外に面した部分は全面ガラス張りで、外の景色が見えるようになっている。家の敷地内でしかも三階から夜景という訳にはいかないだろうが、少し離れたところの花火大会でも楽しめそうだ。
ちなみに今は夕日が差し込んでいる。
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