『Order of killing』

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「授業はこれからだろ?」 「はい。先輩も夕方始まりですか」 「ああ。なるべくなら午前中にびっしり受講科目で埋めて、午後は自習室にこもって集中して勉強をしまくるってのが一番良いペースなんだけど、夕方から予備校だと何かダレるよなあ。家じゃあんま勉強はかどらないし。たまに予備校始まるまで、近所の図書館とかでも勉強したりするけど、何か小汚いおっさんばっかで意外と席が埋まっていたりして、スポーツ新聞片手に声は小さいけど、喋りあってんのよ。結構その囁きが気になって勉強しずらいんだわ。定年退職組の老人どものサロンと化しているよ、最近の図書館は」 「はは、そうかも知れないっすね。何せ高齢化社会のど真ん中にいますからね、俺たち」 「あ、そうだ。いきなり話は変わるんだけどさ、昨日、お前ん家の近くで殺人事件なんて起こってなかった?」     
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