その先に見えるもの8

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 チーム分けはシンプルに五人組、六人組、それ以外の三チームに分けられた。  最終的にはチーム戦だけでなく個人戦もやる事に決定し、それぞれに賞品が出る事になった。  ちなみに賞品は目安となる金額を設定し、それに相当する物を自分で選ばせてくれるらしい。個人戦は五位までが入賞という事に決まった。 「お前ら俺の足引っ張んなよ」  疾風が自信満々に同じチームの奴らに話しかける。  というより、この自信と台詞、マジで鏡司を連想させるな。 「まあ、チーム戦は俺らんとこが優勝だけどな。個人戦の優勝も、当然俺だし」  当の鏡司も、予想通り自信満々である。  つか歌なら私も自信があるし、前回のカラオケからすれば秀人や大樹もかなり上手い。鏡司とバカ西の実力は分かんねえけど、余程の事がない限り優勝はうちのチームなんじゃないだろうか。  って、私も自信過剰だな。 「あっ、準備出来たみてえだよ」  そうこうしてる間に準備が出来たらしく、バカ西が皆にそれを告げる。  それを合図に、各自選曲を始めた。  歌う曲が決まっていた私は、すぐに曲を転送する。 「あっ、美咲に先越された」  鏡司は私が入れた事に気付いて本体に向けていたリモコンを引っ込めた。  特に順番が決まっている訳でもないが、チーム戦がある手前、同じチームから二人連発で歌うのは憚られたんだろう。
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