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「ハハ。カラオケで私に勝とうと思うのが間違いだよ。もう次の曲も決まってるし」
何についての勝ち負けか、言ってる私自身よく分かんねえけど。
「お前、カラオケは歌唱力が勝負だぞ。曲入れんのが早いか遅いかじゃねえし。何か勘違いしてねえか?」
鏡司は呆れたような苦笑いを浮かべて突っ込んでくる。
「フッフッフ。歌唱力も結構、自信あんだよな」
意味不明な笑いを浮かべて返事をした時、ちょうど曲の準備が出来たらしく画面が切り替わった。
曲が始まって一気にテンションが上がった私は、コードレスのマイクを受け取って熱唱する。
一曲目にしては声の調子も良く、歌い終わって表示された点数は97点だった。
「つか初っ端からこれじゃ、次が歌いにくいんだけど」
一番離れた場所に居る白メッシュが苦笑している。
「次、俺だし。まあ個人戦は二位狙いに切り替えるかな」
マイクを持った晋哉も、苦笑しながら立ち上がった。
出だしから飛ばしすぎたか? いや、こういうのは出だしが肝心だからな。初めの心理戦は制したといって良いだろう。
「97点っつー事は98点以上とれば良いだけだろ」
鏡司は余裕の笑みを浮かべている。
簡単に言ってくれんな。余程、自信あんのか?
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