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部屋って個室じゃねえよな。大部屋を全員で使うんだろうか。まあ、あんま寝るつもりはないから良いけど。
そんな事を考えていると、鏡司がまた訳の分からない事を言い出した。
「美咲、しゃあねえから俺が相部屋んなってやんよ。しゃあねえからさ」
いや、しゃあなくないし。何でそうなるんだよ。
「私は寝る気ねえから良いよ。ったく、訳分かんねえ事ばっか言いやがって。つか、全員泊まってくのか?」
私は目の前のポテトを箸で掴みながら疑問を口にする。
みんな単車なんだから、寝る寝ないは別にしろ少しは休んでくかもな。
「ハハ。一人一部屋、用意してくれてっから。泊まりたい奴は泊まってけば良いし、帰る奴は使わず帰ってけば良いよ。シャワーだけ浴びてっても良いし」
バカ西は苦笑しながら教えてくれた。
そんなに空き部屋があるのかと驚いたが、聞けば敷地内に会社の寮があるらしく、今は利用者が少ないから空き部屋が大量にあるらしい。
この建物の裏手から渡り廊下で繋がっているようだ。
「なあ、その寮ってのは仮に俺らが住みたかったら住ませてもらえんのか?」
鏡司は一瞬考えるような素振りをした後、バカ西に視線を移す。
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