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まさか住めるなら住もうとか言い出すのか? 会社の人が住むための寮なんだよな。
「どうせ部屋余ってんだし、良いんじゃねえかな」
バカ西は不思議そうに首を傾げて鏡司を見る。
「家賃いくら? 会社の寮って普通に借りるより安いんだよな。マジで良いなら住みてえんだけど」
鏡司は嬉しそうに聞き返した。
その質問に、バカ西が答えるより前に大樹が口を挟む。
「あっ、ずりぃな。良いなら俺も住みてえよ。家、出たいし」
大樹が言った直後、更に疾風が便乗して口を開いた。
「ちょっと待った。住んで良いなら俺も頼みてえな」
疾風は期待しているような瞳でバカ西を見る。
つか疾風まで……。こいつらマジで言ってんのか?
「なら聞いてみようか? 寮の管理任されてる奴、結構話が通じる奴だからさ。家賃は光熱費込みで三万くらいだったと思うけど、お前らから金もらいたくねえし、その辺も話つけてみるよ」
バカ西が三人に確認すると、三人とも頷きながら「マジか。頼むよ。つか三万くらいなら何とかなるから、さすがに金は払うよ」と答えていた。
やっぱこいつらの考えはぶっ飛んでんな。こんな風にノリで簡単に決めるような事でもないと思うんだけど。
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