真冬

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私は私を基準に考えた。  私と同じように他人も大抵の事…私と同じ生活レベルや痛みには耐えられるものなのだと思い込んでいた。  そして、自分以外の人間との接し方も解らない私は周囲にとって異質だった。    到底受け入れてもらえない。  私の言葉や行動が皆と違い、何事にも加減を知らないという理由で。  皆が私を避けた。   同情で近付く者も稀にいたが、そのうち慄き去ってしまう。  そして私が人の中の声を聴けるようになり、さらに誰も近付かなくなった。
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