真冬

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子供が沢山いる環境におかれ、私は試したい事があったので都合が良いと考え、最初は大人しくしていた。    しかし、私の中に存在する深雪の残虐性から孤児達に恐怖は広がった。  私は深雪を同じ身体の中から観察していたが、呆れるほど利己的かつ残忍で愚かであった。何故、私はこんな奴に一時でも母親を求めたのか?  物凄く後悔している…… ある日ヘマをした。  私が気を抜いた隙に飢えたあの生物が幼児の耳を食べてしまった。  私の隙を突いて出てくるようでは私は一時も休めやしない為、夜中に野生動物を貪りに行かせるように外出した。    しかし、これも孤児院に住む和美という同級生に見つかった。和美はそれから神経質になり、私を怪しみ監視するようになった。私は面倒だなと思った位だが深雪は容赦無かった。    邪魔者は消す。  深雪の腹の中で和美は次のターゲットになっていた。  私にしても丁度良い。和美の脳以外を食った場合、意識が生まれるのか実験しよう。また、脳以外の部位を食いその形状に変化出来るかも調べたい。……今後の計画の為に。 数日後、動物の残骸が増えたからか、園長にも怪しまれ刑事が夜間に張り込むようになった。  行動範囲を狭まれ、激怒した深雪の精神状態は不安定で厄介。消してやろうかと思ったが、こいつにはまだまだ罪を重ねて貰いたい。最低女はどん底まで這って頂こう。  私を長年苦しめた罰として。
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