よるはひとり

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ただ、私はそれを怖がりもせず、気持ち悪いとも思わず眺めていた。動かない猫の上で、群がる黒い虫を、じっと。 昔はそんな自分もいた。感情が出ずにそのものを見ようとする思考だけ。冷たいものは、確かに中にあった。 現実に帰ると、時計は三時になろうとしていた。さすがに寝ようと思い、アルバムを閉じて布団に入る。間接照明を消すと、淡い月の光が部屋を照らした。 意識が遠退くのを感じる直前、黒猫とのやり取りを思い返して笑った。 あの時、私が先に行けば良かったんだろうな。
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