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嫌だ。
嫌だよ。
雄二をちゃんと抱き締めたい。
雄二とちゃんと話したい。
…こうして、彼と一緒にいれば、いつかそれが届く気がして。
だからこうして未練がましく、幽霊になってまで彼の側にいるんだ。
…分かってる。分かってるの。
今の私が、彼の側にいちゃいけないって事ぐらい。
こうして彼と一緒にい続ける事で、私は、彼の生命力を食い続けている。
想いの力だけじゃ、私は、幽霊としてすら存在出来ないから。
…でも私が彼の側にい続けるという事は、それだけ彼の寿命が縮むと言う事。
私の我儘を成立させるという事は、それだけ彼の死期を早めるという事。
…それでも。
たとえ、そうだと分かっていても。
私は、彼の側にいたいんだ。
私の温もりが、声が届く、その日まで。
「ねぇ、苦しい?
その苦しみはね?私が貴方の命を食っているからなんだよ?
気付いて。気付いて。
私は、ここにいるよ。
私は、貴方の側にずっといるよ。
貴方が生きている限り、ずっとずっと側にいるよ?
ねぇ。
早ク、気付イテ?」
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