Please notice me.

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Please notice me.

 私の意識が覚醒する。 「んーーーー…………しょっと!」  ぐいーっと大きく背伸びをして首を右に左にと動かす。ゴキッ、メキャッと小気味良い音が聞こえた。  いよっし、今日も快調快調っと。 「……おはよう、杏子(きょうこ)」  軽いストレッチをしていると、リビングの方から夫である雄二(ゆうじ)の声がした。  相変わらず元気無い声してるなぁ…もしかして寝不足? 「おはよー雄二ー」  返事をすると、お味噌汁とご飯、それと多分目玉焼きが焼ける匂いが漂って来た。どうやら朝ご飯を作っているみたい。  …あれ?昨日も一昨日も一昨々日も目玉焼きじゃなかったっけ?  雄二の奴ーっ!あれほど毎日同じ物食べるなって言ったのにーっ!  ああもうっ!一言言ってやらなきゃ気がすまないっ! 「もう雄二っ!毎日同じ物食べるなってあれほど口を酸っぱくして言ったじゃないっ!」  怒鳴り込みながらリビングに乗り込むと、テーブルにあったのは二人分の朝食。  …あ、目玉焼きじゃなくて卵焼きだ。  なるほどーそー来たかー!  確かに目玉焼きじゃないよねこれー!卵焼きだもんねこれー!  あちゃー!こりゃ一本取られたなー! 「…君が同じ物食べるなって言っていたから、今日は卵焼きにしてみたよ。  …どうかな?  料理上手だった君には負けるけど…僕としては上手く出来てる方だと思う」 「うんうん。  すっごく焦げ付いてるし、あとお砂糖大量に入れたでしょ?こんなんじゃ体壊しちゃうよー?  まぁでも栄養バランスはちゃんとしてるし、お砂糖の量さえ間違えなければ後は全部おっけー!上等上等ー!  まさか料理下手だった雄二がここまで出来るなんてねー!」 「…少しは褒めてくれるかな?杏子」 「うんうんっ!偉い偉いっ!」 「…いただきます」 「たーんとお食べお食べ!」  そうして私は、一人でもそもそ朝食を食べ、食器を流し台に置き、 「…行って来ます。杏子」 「うん、行ってらしゃい」  会社に行く雄二を見送った。  んーーーー…………雄二が帰って来るまで暇だなぁ…。
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