Please notice me.

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 夕方になって、雄二が帰って来る。  疲弊し切った顔。目の下の隈までくっきりだ。  そんなぐったりした夫に妻が出来る事はただひとぉーつっ! 「お帰りなさい貴方っ!  ご飯にするっ?お風呂にするっ?  それともわ・た・しっ?」  そうっ!  夫に妻が出来る事はベッタベタのシチュエーションだけっ!  ちなみに今の恰好は裸エプロンっ!…っていうのは流石に恥ずかしくって出来なかったから、下着の上にエプロンを着けてみましたっ!  奥手な雄二の事だから何かしてくるとは思えないけど、勿論雄二が望むならあんな事やそんな事だって…きゃーーーーっ! 「…ただいま、杏子」  もんの凄い妄想をしながらくねくねしてたら夫はいつの間にかリビングに行ってた。  ああもうっ!私ったらっ!いつもの癖でまたとんでもない妄想をっ!  急いでリビングに行くと雄二がもう晩ご飯を作って…ってコンビニのお弁当っ!?  いやまぁ時間が無いのは仕方無いけれどコンビニ飯って!せめて栄養バランスの摂れてる食事を提供してるファミレスとかにしようよっ!  ああもうあっためずに食べてる!そんなにお腹が減ってたのかこのお腹ペコペコマンめ! 「もうっ!そんなに冷たいご飯食べて美味しいの!?」  雄二は雄二の向かいに座ってぶーっと頬を膨らませる私の問いに答える事無く、もそもそ、もそもそと食べ進めて行く。  表情は変わらない。  寂しそうで。  悲しそうで。 「…………まずい」  …不意に雄二は箸を止め、ぽつり、そう呟いた。 「それ見た事か!  やっぱりちゃんと電子レンジで温めた方が良いって!」 「…まずいよ。ああ、まずい。  本当に…本当にまずい」  …雄二は、泣いていた。  初めは、ぽろぽろ。  次第に、ぼろぼろ。  今まで見た事が無いぐらい、顔をぐしゃぐしゃに歪ませて。 「なんで…なんで…!」 「いや、だってそんな冷たいご飯じゃあ」 「なんで君はここにいないんだッ!杏子ッ!」
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