5.

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「あ!猫田先輩、今日何月何日ですか?」 「はぁ?4月1日だけど?」 「エイプリルフールですね!」 「?そうだな?」 「…」 「…」 「…」 ニコと笑う鼠谷。 「…はぁ?!」 嘘、とか言うのか?!さっきの話が?! 「マジか!?」 「何がです?」 「嘘なのか?!」 「ふふっ、どうでしょうね?あ、尊敬してるのは嘘じゃないですよ?」 「それは、まぁ、嬉しいけどな…嘘ならマシな嘘にしろよ!信じただろ!?何て声かけようか真剣に悩んだだろ!?」 「オレは、嘘とも言ってませんよ?」 「はぁ!?」 鼠谷は、ニコニコして真実を話す気は無さそうだ。 「はぁ~~…どうせならこの花見が嘘なら良いのに」 盛大なため息をついて嘆くと、 「いやー、残念ですが、花見は本当です!」 楽しげに言った鼠谷。 「…」 「?」 「…俺、やっぱりお前嫌いかもな」 「えぇ!苦手なんでしょう?!」 「いや、性格悪ぃし」 「そんな!!」 ワタワタし出した鼠谷を見て笑ってやる。 俺は、お前の話本当だと思うよ。 あんなに震えて辛そうな演技が出来るなら、アカデミー賞ものだ。 何で話したのが俺なのか分からないけど。 可愛い後輩が信頼して話してくれたのなら、応えないとな。 「まぁ、部長らの接待頑張ろう。あ、無礼講とか言い出しても嘘だからな、間に受けるなよ?」 「はい!分かりました!…でも、まだ全然来る気配無いですねー」 「…早く終わらせて帰りてぇなー」 「同感です!」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!