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「あ!猫田先輩、今日何月何日ですか?」
「はぁ?4月1日だけど?」
「エイプリルフールですね!」
「?そうだな?」
「…」
「…」
「…」
ニコと笑う鼠谷。
「…はぁ?!」
嘘、とか言うのか?!さっきの話が?!
「マジか!?」
「何がです?」
「嘘なのか?!」
「ふふっ、どうでしょうね?あ、尊敬してるのは嘘じゃないですよ?」
「それは、まぁ、嬉しいけどな…嘘ならマシな嘘にしろよ!信じただろ!?何て声かけようか真剣に悩んだだろ!?」
「オレは、嘘とも言ってませんよ?」
「はぁ!?」
鼠谷は、ニコニコして真実を話す気は無さそうだ。
「はぁ~~…どうせならこの花見が嘘なら良いのに」
盛大なため息をついて嘆くと、
「いやー、残念ですが、花見は本当です!」
楽しげに言った鼠谷。
「…」
「?」
「…俺、やっぱりお前嫌いかもな」
「えぇ!苦手なんでしょう?!」
「いや、性格悪ぃし」
「そんな!!」
ワタワタし出した鼠谷を見て笑ってやる。
俺は、お前の話本当だと思うよ。
あんなに震えて辛そうな演技が出来るなら、アカデミー賞ものだ。
何で話したのが俺なのか分からないけど。
可愛い後輩が信頼して話してくれたのなら、応えないとな。
「まぁ、部長らの接待頑張ろう。あ、無礼講とか言い出しても嘘だからな、間に受けるなよ?」
「はい!分かりました!…でも、まだ全然来る気配無いですねー」
「…早く終わらせて帰りてぇなー」
「同感です!」
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