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「…寒ぃ」
朝6:00過ぎ。
晴天、満開の桜。
の木の下には、所々にビニールシート。
花見と称した宴会の場所取りに来ている、入社3年目の俺。
もう1人、場所取り役に指名された1年目の鼠谷は、寒さに耐えかねて朝食とコーヒーを買いに行った。
…トムとジェリーで頼んだぞ!とか言いやがって。つまんねぇんだよ、クソ部長!
と、内心恨みがましく思っていると、
「猫田先輩、すみません!」
「おぅ、サンキュー」
近くのコーヒー専門店の紙袋をガサガサ言わせながら戻って来た鼠谷は、そのまま靴を脱ぐと俺の向かいに座った。
「ビーフ、オア、フィッシュ?」
満面の笑みで聞いてくる。
「…は?」
「えっと、こっちがメガビーフホットサンドで、こっちがメガフィッシュホットサンドです!」
オレのオススメです!あ!コーヒーはブラックと微糖です!と、早朝にも関わらず爽やかに元気だ。
それにしても、朝からメガとか凄ぇベビィ…
ビーフはチーズが四方から盛大に垂れている。
「…じゃあ、フィッシュとブラックで」
「はい!やっぱり猫なんですね!」
ニコニコしている鼠谷と、仏頂面の俺。
フィッシュ取ったから猫、と言いたいらしい。
…そう言うお前は鼠らしくチーズだろ
と、思ったが言わないでおいた。
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