2.

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「…寒ぃ」 朝6:00過ぎ。 晴天、満開の桜。 の木の下には、所々にビニールシート。 花見と称した宴会の場所取りに来ている、入社3年目の俺。 もう1人、場所取り役に指名された1年目の鼠谷は、寒さに耐えかねて朝食とコーヒーを買いに行った。 …トムとジェリーで頼んだぞ!とか言いやがって。つまんねぇんだよ、クソ部長! と、内心恨みがましく思っていると、 「猫田先輩、すみません!」 「おぅ、サンキュー」 近くのコーヒー専門店の紙袋をガサガサ言わせながら戻って来た鼠谷は、そのまま靴を脱ぐと俺の向かいに座った。 「ビーフ、オア、フィッシュ?」 満面の笑みで聞いてくる。 「…は?」 「えっと、こっちがメガビーフホットサンドで、こっちがメガフィッシュホットサンドです!」 オレのオススメです!あ!コーヒーはブラックと微糖です!と、早朝にも関わらず爽やかに元気だ。 それにしても、朝からメガとか凄ぇベビィ… ビーフはチーズが四方から盛大に垂れている。 「…じゃあ、フィッシュとブラックで」 「はい!やっぱり猫なんですね!」 ニコニコしている鼠谷と、仏頂面の俺。 フィッシュ取ったから猫、と言いたいらしい。 …そう言うお前は鼠らしくチーズだろ と、思ったが言わないでおいた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!