寄生同居

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「あの~・・・あのー、好きです。つき合って下さい!」  って、私、何でこんなベタなこと口にしてるんだろう?バカ!子供かよ!  思わず思いついた言葉をそのまま口にしてしまったことに、自分自信でも超驚き。  頬は緊張で火が付きそうな程に真っ赤。  心臓の鼓動は時を刻んでいるかと思う程高鳴り、まるで祖母の家のレトロな柱時計。  気分は宙を舞うドローンのように、上下にふらつき必死に二本の脚で体を支えるので精一杯。不安だけが頭の中を駆け巡る。  莉奈はその後の行動が思いつかず、只々心臓の鼓動を数えて時の過ぎるのを待つ。  結果が下されるその瞬間を恐れながら。  少し暖かくなり始めた風が、頬に当たり首筋を通って肩まで伸びた黒髪を柔らかく靡かせる。その心地よさに救われながら、28回目を数えたその時。 「こ、こちらこそ」  超ベタでシンプルな飾りも何もない一言が告げられる。  それは、莉奈の予想の中で最上級の応えだった・・・。  莉奈は元々内気で根暗。友人と言えば、自分と同じ周りと馴染めない子とばかり。  それが、数カ月前からである。自分でも驚くほどの積極的な思考が次々に働くようになり、次第にそれを抑えることが出来ずに行動に移すようになっていたのである。
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