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……
ハーレムの暮らしとはどのようなものか。
ピンク色の風呂だかベッドだかわからない広間で、昼も夜もなくとっかえひっかえ、というわけではもちろんない。
現実的な問題として、それだけのことをするには5人では足りないし、屋敷もそこまで広くはない。
ぱっと思いつくような面白おかしい要素はなく、実態はかなり質素。ハーレムというより、シェアハウスとかそういう状況だ。
朝はあてがわれた部屋で起きると、丁度外からノックの音が聞こえた。
「おーい、立夏ー、起きてるかー? 朝メシどうするー?」
立夏は僕の名前。
声は別の『ダーリン』――有り体に言えば同居人からのものだ。部屋は施錠されているので、入ることは出来ない。
部屋に自由に出入りできるのは、自分とマスターキーを持っている屋敷の主だけだ。
「降りて食べますー!」
と僕が大きい声で返事をすると、うーいだかあーいだかいう声と共に、同居人は去っていった。
それから部屋で学校の制服に着替えて、一階の食堂に向かう。
「おはようございます」
と顔を出すと、既に食堂にいた3人がそれぞれ振り向いた。
「おはよう」
最初に挨拶を返したのは藍さん。
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