得てして生物は滅び行くのか

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 俺は、入居初日でアイツが出現したと不動産に文句をいうべく、脳内映話を不動産につなげようとした。不動産につなぐためのIDコードはたしか引っ越し時の契約書類に書いていた筈だ。そしてその書類は引っ越し用段ボールと一緒に……、なんてことだ! あの段ボールの近くにはまだ、アイツが潜んでいるではないか。冗談じゃない。おれがアイツと対峙するには経験が浅すぎる。おれはまだ一人暮らし一日目のど素人だぞ?  とかく俺は不動産に連絡する義務がある。が、それにはアイツと闘わなければならんのだ。俺は少しかんがえて、すぐに結論をだした。──そうだ、仲間を募ろう。俺がアイツを倒せなくとも、この近辺にはアイツを退治できる猛者が住んでいるかもしれない。  そうと決まれば、と俺はジャージ姿に上着だけ羽織って新居を後にした。  行動は早い方がいいことはしっていた。奴の特技は生物においてもっとも肝要な能力──“繁殖”である。聞くところによると、アイツを一匹見つけたころにはもう三十匹、別の奴が増えているという論文があるらしい。恐ろしき事山のごとし。俺がアイツを見つけたのは引っ越しが完了してから約三時間なので、アイツは三時間ごとに三十匹増えている計算になる。ひええ。  俺はわななく心臓を押さえつけ、一心不乱に町の集会所へと向かった。集会所には長年この町で暮らしている者が多くいると聞く。アイツの扱いは俺なんかより心得ているはずだ。     
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