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部屋の中は大音量でリンッリン鳴り響きまくっていた。
「紫桜ー! 起きろ紫桜~! しーおーおぉー!」
お、紫桜の目が少し動いて……
「再び気持ちよさそうに寝直すなぁー!」
オレはとっさに紫桜の両肩を揺さ
(ぶるのも人生初めてだよな……)
ついさっき女の子の布団を引っぺがすという人生初を味わったばかりだというのに!
女の子としゃべることくらいは慣れているはずだが、寝てる女の子の扱いなんて初めてなのでかなり緊張している。なのに標的はこれまたいい寝顔しやがって。
「……むにゃぁ……?」
紫桜はやっと目を覚ましてくれた……ようか?
オレは手を引っ込めると、紫桜は腕を動かし始めて、遅い動きなものの慣れた手つきで目覚まし時計の裏にあるスイッチを操作。オレの耳が救われた。
「っておいぃぃだからさらに気持ちよさそうな寝顔すんなぁー!」
オレのポトフは救ってやれなかった。後で温め直すか。そう思いながらまた紫桜の両肩に手を置いて揺さぶった。
「……むにゃ……ん……んんっ」
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