死体との同居

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 女は自らの幸運にただ感謝した。そして、女の幸運はこれだけではなかった。気配が完全に無くなってから家探しをしてみると、作り置きのスープがあった。ほかにもパンや肉やヨーグルトなど、少しずつバレないようつまみ食いをしていく。  女は食べて満足して、この家から出ていくかどうか迷った末に、遺体保存装置に戻って次の日を迎えることにした。  こうして女の、死体としての同居生活は始まったのだ。
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