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僕がシロを見つけたのは、隣家の畑だった。
シロは舌を出して、目を瞑っていた。
祖父母の話だと、シロは殺鼠剤入りの餌を食べ、命を落とした。殺鼠剤は、当時は野ネズミ対策で使っていた物で、通称は猫要らず。
さて、シロの死は、今では考えられない事だが、「猫が悪い」で、結論が出た。
当時は当然の理屈だが、今なら訴訟沙汰だろう。
僕は、大人の理屈に納得出来なかったが、唇を噛み締める位しか抗議の手段がなかった。
僕と祖父は、シロを埋葬する。今ではペット用の葬儀所まで在る時代だが、当時は穴に埋め、目印に石を置く程度だった。
僕は、シロの墓の前で合掌すると、自然に涙が出てきた。
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