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「だからあいつはやめとけって言ったでしょ」 瑛子の言葉に、桜は頭を抱えた。 「だって……」 「あんたは3Bと付き合うには向いてないんだって。束縛激しい上に、尽くすタイプとか言って貢ぎ癖あるんだから」 「もう!それ以上言わないで。そうじゃなくても浮気現場目撃というハードなダメージ食らってるんだから」 「彼氏かどうかも怪しい男じゃん。あんたの家に女連れ込むなんて、対して好きじゃなかった証拠だよ。むしろ、馬鹿にしてるでしょ。どうせ、あんたの”友達”たちとやらは”ひど~い!可哀想!”とか言うんだろうけど、長年の付き合いの私から言わせれば、あんだけ止めたのに、毎回毎回、屑みたいな男見抜けないあんたも悪い」 瑛子はいつだって容赦がない。彼女が言うように、たいていの友人は浮気された桜を慰め、彼氏を思いっきり非難してくれる。 しかし、瑛子だけは、桜に彼氏ができる度、あの男はやめとけと全否定から入り、桜の恋が想像通りの展開を迎えると、ほら見ろと言わんばかりの全否定で終わる。 それでも桜が瑛子に恋の相談をやめないのは、誰よりも桜のことを気にかけてくれているのも瑛子だという自覚があるからだ。 上辺だけの言葉を並べられるよりよっぽど良いと桜は思っていた。
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