第1章

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あぁ、やっぱり そう思ってしまった自分がとても汚く思えた 予想はしていたのに海が見つかったという事実だけに安堵し、焦ることを辞めてしまった自分が ここは男子校だし、僕と海が特殊なだけで本当は全寮制だ もっと言うと幼稚舎からのエスカレーターで僕も海も一応は幼稚舎からこの佐原学院に在籍している 海がまともに通いだしたのは高等部からだったけれど 僕は頭が悪いから小等部からしっかり行くようにしていた 高等部の男子ともなると性欲というものが溜まってくるもので、それを発散する相手は必然的に周りにたくさんいる男子ということになる 卒業して女性と触れあえば女性を愛するようになる人もいれば、そのままゲイで生きていく人も居るそうで、少なくともこの学院に居るうちは大半の人の性的対象は男となるらしい 僕にはよく分からないけれど 海は人気者だし顔も可愛くて華奢で色が白くて、そういう対象になりやすいんだろうなとは思っていた 「海、大丈夫、大丈夫だよ」 ベッドで苦しそうに呻いている海に近寄り声をかければ、かろうじて僕を認識できたらしい 僕に向かって手が伸ばされた 何故だろう 瞬間的にその手を振り払いたい衝動に駆られた 頭(かぶり)を振ってその衝動をなかったことにし、震える海の手を優しく包み込んだ 「そ、ら…」 「そう、僕だよ分かる?怖かったね、もう大丈夫だよ」 海は安心したように微笑むと目を閉じて眠った 体力的にも限界だったんだろうな 「ご迷惑お掛けして申し訳ありませんでした」 後ろで呆然と立ち尽くす2人に声をかけると弾かれたように顔を上げた
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