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「凄いな、俺の声は全然届かなかったのに、空くんなら一発だね」
「はぁ…」
褒められることなんて滅多にないから、どう反応するべきか分からなくてつい曖昧な返事を返してしまった
視界の端に顔を歪めた高見先生が映った
「おい羽根田、なんでしっかり見とかなかった?海ならこういうことが起きてもおかしくないと分かっていたんだろう?」
「高見先生、責めるべき相手が違うと思いますよ」
伊藤先生はいつも海にも僕にも平等に接してくれる
そんなのイラナイのに
「今回のことは僕の注意不足です、自分で見つけることもできずこうしてご迷惑お掛けし申し訳ありませんでした」
「空くん、自分を責めないで、悪いのは空くんじゃないよ」
「いえ、僕が悪いんです」
そう答えると伊藤先生はなんとも言えない顔をして俯いた
一方高見先生は未だ怒り冷めやらぬといった感じで、もう一度頭を下げておいた
「すみませんが家に連絡してもいいですか?
絶対大事にはしません、警察に連絡などもないようにします
ただ海の容態を伝えたいだけで…こうなった経緯もたぶん聞かれますがこちらの対処にお任せします」
「もちろん、対処も海くんと話し合って決めるつもりだよ、僕達出た方がいいかな?」
「いえ、専門の方の意見も欲しいのでいて下さると嬉しいです」
「あはは、ちゃんと答えられるかなぁ、頑張ります」
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