第1章

12/33
前へ
/139ページ
次へ
電話をかけて3コールほどすると相手が応答した 「もしもし、空です」 『空…?海になにかあったの!?』 母さんのヒステリックな声に耳が痛くなって少し端末を耳から離した 「海が強姦未遂にあいました 激しく抵抗したみたいで喘息をおこしてしまい、今保健室で落ち着いて寝ています」 『強姦…未遂って、なんでもっとちゃんと見ておかないの!?海が何不自由なく安全に過ごすために貴方がいるんでしょう!?分かっているの!!』 「すみませんでした、僕の注意不足です」 『すみませんで済むと思ってるの?海は…海はね、1回の発作でも生死に関わるのよ、それを貴方は…』 だんだん語尾が震えてきて母さんが泣いていることを知る 「母さん、すみませんでした」 『もういい!とにかく早く帰ってきなさい!迎え行かせるから!』 「はい、すみませんでした」 静けさが保健室を襲う 「お母さんに敬語、なんだね…」 「え?あ、あぁ、まあそうですね」 何か気になるところがあるんだろうか 「すみませんが迎えが来るまでこちらでお待ちしても宜しいでしょうか?」 「もちろん、いいよ!高見先生は?授業ないんですか?」 あぁ、そういえばまだ居たのか 完全に忘れていた 「俺もここで待つ、幸い午後の授業はない」 「そうですか」
/139ページ

最初のコメントを投稿しよう!

737人が本棚に入れています
本棚に追加