第1章

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時は流れ 僕、空は高校生になった 海も進学してして僕と同じ佐原学院高等部の生徒となったが、行き帰りは車での送迎、校内では車椅子の生活となった 海は体調が優れなくて登校できない日が続いた時もあった だけど、持ち前の穏やかで優しい性格と、くりっとした大きな瞳や色づきの良い薄く整った唇など整った容姿からかクラスの、いや校内の人気者であった 僕は、そんな海の"付き人"ということになっている 中学に入ってからは髪を切ってもらえず、後ろ髪はなんとか結わっているものの前髪はどうにもできず伸びっぱなしでまともに顔も見えやしない 身体の弱い海よりも痩せこけた身体や一言も喋らない、一言で言えば根暗である僕と海が双子だということは公言されているけれど信じている人は少ないと思う
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