第1章

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ある昼休みのことだった 海を連れて食堂に来ていた時のこと 海には栄養をしっかり考えた専用のメニューを用意してくれているからそれを頼みに厨房まで行き、戻ってくると海が居なかった 車椅子と共に忽然と消えてしまったのだ 「う…、み?」 すぐさま走り出し、 「海ッ!!!」 叫びながら校舎を走り回った 普段学校ではあまり声を出さなかったからか、海の人気さ故か何事かと皆がこちらを見てくる 中庭に出ると昼食を楽しむ生徒達で溢れかえっていた 「すみません、羽根田海を見ませんでしたか?」 ひたすら走って息も絶え絶え、汗も凄いんだろうな 勇気を出して話しかけた相手は露骨に嫌な顔をして 「見てない」 と一言、去っていってしまった
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