桜の木の下で

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──桜の木。  人が桜の木に注目するのは春で桜の「花」が咲くときだ。それ以外の時期の桜は樹木関係者か管理者にしか相手にされない。相手にされないと言えば桜の花が咲いても相手にされない場所がある。 ──桜の木の下。  まあ、根本といえばわかりやすいだろう。  花の方ばかりチヤホヤされて根本の方は相手にされない。相手にされないどころか、下の方には「死体が埋まっている」とか言われてしまうぐらいである。どうせ花が散る際の儚さからのイメージから来てるのだろうが、根本としては勝手に想像で死体を埋められていい迷惑だろうに。  そんなくだらないことを考えながら僕は気温がなかなか上がらない春の中、桜の木の下で夕方からの花見のために場所取りを一人でしているのであった。
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