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どこからともなくファサファサとやって来たかと思えば、バタバタとこの黄ばんだ薄いポリ塩化ビニル上に着地し、ガリガリと爪の音を鳴らしながら数メートルを行ったり来たりする。
誰かがクルックーと喉を鳴らせば、他の仲間達も何とは無さげに喉を鳴らし、ある者が逃げるようにそこを走れば、ある者がその後を追いかけ回す。
変色したその薄っぺらい塩ビ波板には、彼らがせっせと長い時間をかけて運んできたのであろう藁がつもり積もっているのが透けて見える。
そのべっこう飴のような板には所々に穴が開いており、そこからは時折その枯れ草やら羽やら糞までもが落ちてくる始末だった。
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