だーれだ?

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だーれだ?

待ち合わせの場所でスマホを片手に彼を待つ。 突然、後ろから「だーれだ?」と目隠しをされ 彼だと思い、彼の名を告げる。 「ブッブー、ざーんねん。」 私は、そこで初めて得体のしれない存在からのだーれだに凍り付く。 でも、もしかしたら、同級生かもしれない。 でも、彼以外の男性で、こんな親密にだーれだなんてされる存在がいただろうか。 私は、口の中がカラカラに乾いた。 これは厄介なことになった。 この事態をどう切り抜けよう。 この人は、きっと病んでいる人なのだ。 「わ、わかりません。」 恐る恐る、私はそう後ろの彼に告げた。 「えー、酷いなあ。」 まだ後ろの彼が、私の目を隠して離れてくれる気配はない。 スマホを持つ手がかすかに震える。 早く、早く来て! 待ち合わせの彼を待つ時間が長く感じられる。 きっと周りは、カップルがふざけているとしか思っていないだろう。 大声を出そうか。でも・・・もし刃物でも持っていたら。 「は、離してください。」 私は、震える声で懇願した。 その時、遠くから彼の声がした。 「おーい、待たせてごめん!」 助かった!私は勇気を振り絞って目を覆っている手を掴み、後ろの得体のしれない存在から逃れ、振り向いた。 すると、そこには、予想を超える人物が立っていた。 「えっ、私?」 もう一人の私は、クスクスと笑った。 だーれだと言った声は確かに男だったのに。 彼は「ごめん、待った?」と汗をかいて微笑んだ。 私にではなく、もう一人の私に。 私は、慌てて私が彼の彼女であることを訴えた。 彼は答えた。 「は?お前、誰?」
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