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それはまだ雪が残っている3月。
日本の南では、暖かくなったために早く桜が咲いている。
「菜々子ー。出勤時間大丈夫なの?ぼーっとしてるけど」
そう言うのは菜々子の母。
「うん・・・」
「大丈夫?」
この日は菜々子の初出勤日。
菜々子は小さい頃から精神病を患わっていて、こういう大きな出来事は誰かがいないと正常を保てない。
「明日は菜々子の誕生日だね。なんかほしいものない?」
「・・・生きたくない」
「・・・菜々子・・」
母は菜々子に甘い。背中をそっとさすると涙を流す。せっかくしたメイクも落ちてしまいそうになる。
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