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……あぁ、そこの二人、おかしなポーズしてビデオカメラの前に立たない!」
「……えっと、そのビデオカメラ、今、スイッチ入っていませんよ?」
りえ先生がそう言ったとたん、模型コンビがおかしなポーズをしたまま、そうなの? と顔だけ向けました。
そのさまがあまりにもおもしろくて、はるとくんは声をあげて笑ってしまいました。りえ先生もつられて笑いました。
「……あ、そうだ。ぼく、忘れ物をとりに来たんだった」
はるとくんは、ちらりとサナギ見てからピアニカをさがします。ですが、ピアニカは教室にありませんでした。
「花ちゃん、その子のピアニカ、音楽室。
音楽室の音楽家たち、それ見ている」
写真の中から声がしました。どうやら、青い目の人形、エリーの声のようです。
「……あー、あの人たちらしいわ。
はるとくん、音楽室に行ったら、そこにいる人たちに、ピアニカの演奏を見せてあげてね。あの人達、音楽とか楽器とか、ほんと目がないから」
「うん、こわいけど、ぼくがんばる」
花子さんがはるとくんの言葉に、ニッコリとほほえみました。
「花ちゃん、ちょうが出そうになったら、りえ先生に知らせてくれる?」
写真の中のエリーがうなずきました。
「――ほら、ガイコツとゾンビ、あなたちは理科室にもどるの!」
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