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トイレの花子さんに追い立てられながら、またね。と言うかのように、模型コンビが手をふりながら、教室を出ていきました。
「――りえ先生、学校の七不思議、ほんとうにあったんだね」
静まり返った教室に、はるとくんの声がやけに響くのでした。
りえ先生とはるとくんは、階段にむかいます。音楽室は三階にあります。
りえ先生が階段の明かりをつけたとたん、ずらりと先が見えないほどの長い階段が目の前にあらわれました。
学校の七不思議の一つ、無限階段です。
と、二人の後ろから、羽織袴を着た、いかめしい男の人があらわれました。
学校の七不思議の一つ、初代校長の幽霊です。
その初代校長がせきばらいをすると、それが合図かのように、増えた階段がグニャリとゆがみ、またたくあいだに、いつもの階段にもどりました。
二人は初代校長に、ペコリと頭をさげました。頭をあげたときには、もう初代校長の姿は、どこにもありませんでした。
りえ先生が音楽室の明かりをつけました。すると、忘れ物のピアニカの回りに白い影がいくつかいました。
学校の七不思議の一つ、音楽室の音楽家達です。
はるとくんは緊張しながら、忘れ物のピアニカに近づき、花子さんに言われた通り、演奏します。
宿題の曲です。はるとくんはたどたどしく、。だけど間違えなく演奏しました。
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