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音楽室の音楽家たちが、静かににその演奏を見、聞いています。
演奏が終わるなり、音楽家たちが拍手のあらしをおこしました。
――もう一回、演奏しないとだめ?
はるとくんは、りえ先生にたずねようとした時、エリー人形の写真から、声が聞こえてきました。
「サナギ、ちょう出る。初代校長、近道をあける。大鏡の前、急いで」
はるとくんは音楽室の音楽家達に、ペコリと頭をさげ、ピアニカを片付け、りえ先生といっしょに音楽室を出ました。
大鏡の前に行くと、そこには初代校長が待っていました。
「願うがよい、行きたい教室を。さすれば鏡がそこへ導く。
――さあ、後ろを見ず、行かれよ」
「……あの、どうして七不思議のあなたたちが、こうも親切なのですか?」
りえ先生がたずねました。
すると初代校長がにこりとわらい、答えました。
「そなたはこの学校に来てから、学校のあちこちに花をかざり、子どもらに学ぶ楽しさを引き出そうと力をそそいでおる。
子どもらの喜ぶ顔、我らにもっと見せておくれ」
「はい!」
りえ先生ははるとくんの手をにぎり、大鏡に飛び込みました。鏡は鏡でなくなり、気がつくと、二人は教室にいました。
「……先生、学校の七不思議、全部本当の事たったんだね」
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