サナギと学校の七不思議

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サナギと学校の七不思議

 はるとくんは、学校から帰ってきてからずっと、教室の虫かごの中のサナギが、気になってしかたありません。  なぜなら、はるとくんが見つけ、持って行った青虫が、数日前にサナギになり、今朝、そのサナギが黒っぽくなっていたからです。  りえ先生が、もうすぐ蝶になるから、長時間撮影しますね。と言ってビデオカメラをセットしていたけど、気になってしかたありません。  お母さんに、宿題は? と聞かれて、連絡ノートを見ていて、はるとくんは気がつきました。  ――どうしよう、ピアニカ、学校に置いてきちゃった……  夕ごはんの支度をするお母さんに、はるとくんは、そのことを伝えました。  その頃りえ先生は、クラスの子どもらの喜ぶ顔を思いうかべながら、ビデオカメラごしにサナギを見ています。  画面隅の表示を見て、りえ先生はバッテリーが足りないことに気がつきました。  コンセントにコーナーを繋げようとしますが、少し距離があります。    りえ先生はスイッチを切り、延長コードを探しに、職員室へともどりました。    はるとくんが学校に着き、呼び鈴を押した時、ちょうどりえ先生が教室に戻ろうとしていたところでした。       
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