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松本和香子20歳大学2年生、行きます!
私は心の中で言うと、軽く息を吸った。そして……
「安達くん、好きです!」
人生5度目の告白をする。
「あ、わり。タイプじゃないんで」
安達くんは逃げるように去ってしまった。
「ううっ……ぐすっ……なんでいつもこうなの?」
人よりちょっと惚れっぽい私はいつも失恋してばかり。
さっきみたいに告白してフラれるならマシな方。
気になった人から告白メールが来たら間違いでフラれるなんて事も3回はある。
酷い時は告白されて付き合ったと思えば、ATMにされそうになってフッたりした事もある。
「はぁ、私って失恋体質なのかなぁ?」
落ち込んでいると、ちょうど会いたい人が通りかかってくれた。
「薫ちゃーん!」
私は思いっきり抱きつく。
「きゃあっ!?和香子ちゃんじゃない、いきなりどうしたのよ?」
薫ちゃんは1つ上の先輩で、整った顔立ちにサラサラの長髪。ついでに香水なのか、いつもいい香りがする。
私より……否、この大学のどの女子よりも女子力高いおネエさんは、よく私の失恋話に付き合ってくれる。
「またフラれたの……」
「あらあら、話聞いてあげるわ。今からカフェにでも行きましょ?」
「え?でも講義は……」
「たまには息抜きも大事よ?」
薫ちゃんはイタズラっ子みたいにウインクした。
薫ちゃんに連れられ、私は見た事ないほどとびきりオシャレなカフェに来た。
「それで、どうしたの?」
薫ちゃんは注文を終えると、手を組んでそこに顎を乗せる。なんだか本当に女の子みたい。
「安達くんにね、告白したの。そしたらチラッとだけ私を見てタイプじゃないって……。チラッとだよ?チラッと!それでタイプじゃないなんて自信無くしちゃう……」
思い出しただけでまた涙が出そう……。
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