ドタバタ失恋劇

2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
松本和香子20歳大学2年生、行きます! 私は心の中で言うと、軽く息を吸った。そして…… 「安達くん、好きです!」 人生5度目の告白をする。 「あ、わり。タイプじゃないんで」 安達くんは逃げるように去ってしまった。 「ううっ……ぐすっ……なんでいつもこうなの?」 人よりちょっと惚れっぽい私はいつも失恋してばかり。 さっきみたいに告白してフラれるならマシな方。 気になった人から告白メールが来たら間違いでフラれるなんて事も3回はある。 酷い時は告白されて付き合ったと思えば、ATMにされそうになってフッたりした事もある。 「はぁ、私って失恋体質なのかなぁ?」 落ち込んでいると、ちょうど会いたい人が通りかかってくれた。 「薫ちゃーん!」 私は思いっきり抱きつく。 「きゃあっ!?和香子ちゃんじゃない、いきなりどうしたのよ?」 薫ちゃんは1つ上の先輩で、整った顔立ちにサラサラの長髪。ついでに香水なのか、いつもいい香りがする。 私より……否、この大学のどの女子よりも女子力高いおネエさんは、よく私の失恋話に付き合ってくれる。 「またフラれたの……」 「あらあら、話聞いてあげるわ。今からカフェにでも行きましょ?」 「え?でも講義は……」 「たまには息抜きも大事よ?」 薫ちゃんはイタズラっ子みたいにウインクした。 薫ちゃんに連れられ、私は見た事ないほどとびきりオシャレなカフェに来た。 「それで、どうしたの?」 薫ちゃんは注文を終えると、手を組んでそこに顎を乗せる。なんだか本当に女の子みたい。 「安達くんにね、告白したの。そしたらチラッとだけ私を見てタイプじゃないって……。チラッとだよ?チラッと!それでタイプじゃないなんて自信無くしちゃう……」 思い出しただけでまた涙が出そう……。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!